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松本美須々ヶ丘高等学校同窓会

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フロリアードからオリンピックへ

昨年、オランダのフェンロ―で開催された【フロリアード2012】は花のオリンピックといわれる10年に1度の花の祭典です。この祭典では切花等のコンテストが行われ花の世界一を決めるのです。フェンロ―広い会場は世界各国の花の展示ブースとコンテスト会場に分かれており、展示ブースでは各国の趣向を凝らした花の展示がされています。花のコンテストは4月から10月までの開催期間を春・夏・秋の3つの期間に分け、テーマや品目に基づいて2週間おきに審査会で審査され10.0満点の点数が発表されます。
春・夏・秋の各期を通しての最終的な各賞(1席・2席・3席等)が決まるのは各期間終了後です。

「フロリアードに参加するからにはそれなりの結果を残したい。次に開催されるのは10年後。10年後も花作りをしているかどうかはわからない。結果を残すなら今しかない。長年取り組んできたトルコギキョウで賞を取りたい。スーパーローヌという子供の頭ほどの大きさになる大輪のラナンキュラスを世界の人たちに見て欲しい」そう決め手はみたものの、丹精込めた花達をベストな状態にオランダまで送り届けるにはどうすればよいのか。圃場で花を切り出してからオランダに着くまでに5日かかり、審査が行われるのは更に2日後。切り花後の1週間を、空輸され箱の中にいれられたままの状態からの審査は花達には厳しいものです。考えられるかぎり考え、やれることは全てやり、最善と思われる方法で花を送り出してからの1週間はいつになく長い1週間でした。そして審査結果発表。春の球根部門でラナンキュラスが、夏の切花部門でトルコギキョウがそれぞれ1席となりました。

高校を卒業し大学で農学を学び現在に至るまで、ともかく素晴らしい切花を消費者に届けたいという想いで頑張ってきました。その中で多くの人との出会いがあり助けられてきました。乗り越えねばならない幾多の壁がありましたが、自分を信じて焦らずにしっかりした目標を定めて歩んできました。昨年のフロリアードでの受賞は長年の花き栽培の集大成でした。フロリアードは10年に1度しか開催されませんが、より広く花を知ってもらうために2020年に東京で開催されるオリンピックに併せて、日本で花のオリンピックを同時に開催しようと動きはじめたところです。夢はまだまだ広がります。
多くの卒業生は農業とは無縁の世界へ進んでいるでしょうが、農業は捨てたものでもありませんよ。興味のある人は出かけてみてください。

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